『馬子にも衣装』は使い方を間違えると相手に不快感を与えるので要注意!
あなたが次のどちらかに当てはまる場合、今すぐ本当の意味を理解されることをお勧めします。
- 『馬子にも衣装』を「褒め言葉」だと思っていた
- 『馬子にも衣装』ではなく『孫にも衣装』だと思っていた
この記事は次の情報をまとめています。
- 『馬子にも衣装』を「褒め言葉」として使うと恥をかく
- 『孫にも衣装』は間違い
- 『馬子にも衣装』の本当の意味と使い方
興味がある方はぜひ続きをご覧ください!
『馬子にも衣装』を「褒め言葉」として使うと恥をかく
最初にお伝えした通り『馬子にも衣装』は「褒め言葉」ではありません。
「馬子」を「孫」と間違えて「褒め言葉」のつもりで使うと恥をかきます。
『馬子にも衣装』の間違った使い方
- 馬子(孫)にも衣装というだけあって、お孫さんは何を着ても似合いますね。
- 成人式の着物姿がとても素敵!まさに馬子(孫)にも衣装ですね。
「馬子」の部分を「孫」と勘違いして使っているのが原因です。
× 『孫にも衣装』 = 孫には何を着せても可愛い
これでは、全く別の意味になってしまっています。
誤って「褒め言葉」のつもりで使うと、自分が恥をかくだけでなく相手を不快な気持ちにさせてしまうことがあるので気をつけましょう。
次に、『馬子にも衣装』を『孫にも衣装』に間違える理由を考えます。
「馬子」を「孫」と間違えてしまう理由
「馬子」の部分を「孫」と間違えて使ってしまう理由は次の通りです。
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「馬子」という言葉の意味・存在を知らないのが、「孫」と間違える最大の理由です。
〇 馬子にも衣裳 | 誰でも素敵な衣装を着れば立派に見える |
× 孫にも衣装 | 孫にはどんなものを着せてもかわいい |
「馬子」を「孫」と間違えただけで、全く違う意味の言葉が出来上がってしまいます。
語呂が良く、言葉として何となく意味が通ってしまうため、間違いがひとり歩きしてしまうのです。
『馬子にも衣装』を間違えて使うと恥をかく
『馬子にも衣装』を間違えて使うと相手はどのように感じるでしょうか?
相手が『馬子にも衣装』の本来の意味を知っていた場合こうなります。
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その場で「その使い方間違っていますよ」とはなかなか言いにくいものです。
相手がどう感じるかまで理解できれば、正しい意味で使わなければという意識が高まります。
『馬子にも衣装』は「褒め言葉」ではないので、積極的に使う必要もありませんが・・。
次に、言葉をしっかり理解するポイントとなる「馬子」の意味と『馬子にも衣装』の語源についてみていきます。
『馬子にも衣装』の本来の意味と使い方
『馬子にも衣装』の本来の意味と使い方をしっかり覚えましょう!
『馬子にも衣装』の意味
『馬子にも衣装』の本来の意味は次の通り。
意外と間違えている人が多いので要チェックです!
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清潔な身なりを心がけることの大切さと、見かけで簡単に印象が変わることの例えとして使われます。
『馬子にも衣装』の使い方
『馬子にも衣装』は本来、次のような時に使います。
主に2つのパターンです。覚えておきましょう!
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だれでも着飾れば立派に見えるという意味で、気心の知れた仲間や家族などに対し「謙遜」や「冗談」として使います。
- 親戚にスーツ姿を褒められたので「馬子にも衣装ですよ」と謙遜した。
- 妹のウエディングドレス姿があまりにも綺麗だったので、兄は照れながら「馬子にも衣装だな」と言った。
このように、褒められたことについて謙遜したり身内に対する発言時に使ったりします。
最初にお伝えしたように、意味を間違えて使うと相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
間違った認識で使わないように注意が必要です。
『馬子にも衣装』の語源
「馬子」は、馬に人や荷物を乗せることで賃金を得る「身分の低い」職業。 『馬子にも衣装』は「馬子」が羽織袴を身に着けた時にとても立派に見えたこと が語源とされています。
「馬子」の意味
「馬子」とは、馬に人や荷物を乗せることで賃金を得る「身分の低い」職業の一つ。
当時、「馬子」の多くは農民がつとめており、身なりは決して良くありませんでした。
鎌倉時代以降は交通の脚としての「馬子」も現れ、年貢や品物の運搬にあたっていました。
「馬子」は他にも「馬追い」「馬方」とも呼ばれていました。
「馬子」という言葉自体を知らないと『馬子にも衣装』の理解は難しいですね。
『馬子にも衣装』の語源
普段は決して身なりの良くない「馬子」も美しい羽織袴を着るととても立派に見えた。
これが『馬子にも衣装』の語源です。
「馬子」が美しい羽織袴を着たらたいそう立派に見えたことから『馬子にも衣装』という言葉が誕生しました。
『馬子にも衣装』が『孫にも衣装』に間違われるのは、「馬子」という言葉自体が日常的に使われていないのが大きな理由だと考えられます。
『馬子にも衣装』の類義語・対義語
『馬子にも衣装』と同じような意味を持つ言葉、逆の意味を持つ言葉をいくつかご案内します。
『馬子にも衣装』の類義語
『馬子にも衣装』と同じような意味を持つ言葉は他にも存在します。
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どの言葉も「身なりに手をかかければ立派に見える」を例えた諺(ことわざ)です。
『馬子にも衣装』の対義語
『馬子にも衣装』と逆の意味を持つ言葉にはどのようなものがあるでしょう?
要するに「どんなにすばらしい人でも身なりによっては下品に見える」を表す言葉ですね。
公家にも襤褸(くげにもつづれ) | いくら高貴な人でも、つぎはぎだらけの破れた衣を身につけたら下品に見えてしまうというたとえ |
衣ばかりで和尚はできぬ | 形だけ整っていても役に立たないというたとえ 僧衣をまとっただけでは僧侶にはなれないという意味 |
『馬子にも衣裳』の英語表現
『馬子にも衣装』を英語ではどのように表現するのでしょうか?
『馬子にも衣装』を英語にすると
馬子にも衣装を英語にする場合、次の諺(ことわざ)が当てはまります。
Fine feathers make fine birds. 直訳「立派な羽が立派な鳥にする」 |
「羽がきれいだと立派な鳥に見える」として、「馬子」同様に「鳥」の身分を皮肉った表現です。
『馬子にも衣装』と同様のニュアンスで使われます。
【おまけ】『馬子にも衣装』を中国語にすると
人是衣裳马是鞍 |
「人は服装により,馬は鞍によって引き立つ」をという意味になります。
どんな人間でも美しい服を身に着ければ、どんな馬でも立派な鞍をつければ立派に見えるというたとえです。
さいごに ~間違えやすいことば・ことわざ~
ここまで読んでくださったあなたは『馬子にも衣装』に相当詳しくなりましたね。
『馬子にも衣装』のような意味を間違えやすい言葉は、他にもたくさんあります。
そんな言葉たちをいくつかご紹介させていただき、この記事を締めてさせていただきます。
【間違えやすいことば・ことわざ】
馬子にも衣装 | 誰でも素敵な衣装を着れば立派に見える |
× 孫にはどんなものを着せてもかわいい | |
情けは人のためならず | 人に情けを掛けることでいつか自分にも回ってくるので人には優しくすべき |
× 情けは人のためにならないのでやめるべき | |
ぬれ手で粟(あわ) | 労せずに大きな利益を得ること |
× やっても意味がないこと | |
かわいい子には旅をさせよ | かわいい子なら厳しい旅をさせていろんなことを体験させてあげるべし |
× かわいい子は旅をさせていろいろ楽しませてあげたい | |
一姫二太郎 | 子どもを授かるなら、1人目は女の子、2人目は男の子が理想的 |
× 子供は女一人,男二人であるのが理想的 |
最後に白状しますが、私も『馬子にも衣装』の本当の意味を知らないままやり過ごしてきたうちのひとりです。 古くから語り継がれる言葉を知ることはとても有意義です。これを機にいろいろな言葉に触れていくのも良いですね。 私も引き続きいろいろな言葉に触れ、そこで得た知識を皆様と共有していければと思っております。 最後までご覧いただきありがとうございました。
“【孫は間違い】馬子にも衣装の意味|褒め言葉で使うと相手には不快感” への1件のフィードバック