最初はくじの形が「放射線状」で、阿弥陀如来(あみだにょらい)の後光と似ていたから
この記事では『あみだくじ』について、次の内容をまとめています。
- 最初は「はしご状」の形ではなかった
- もともと買い物の支払い額を決めるゲームだった
- 海外でも使われているの?
興味がある方は、ぜひ続きをごらんください。
『あみだくじ』の語源
『あみだくじ』の語源は「阿弥陀如来(あみだにょらい)」の「あみだ」から来ています。
『あみだくじ』を漢字で書くと「阿弥陀籤」。
「くじ」の形の話から、まずは語源をたどっていきます。
『あみだくじ』は、上から下に向かって引いた線の先に「当たり」「はずれ」などを書いてかくし、各自が選んだ線を先までたどって結果を引き当てる「くじ」のこと。
現在は、平行線の間に横線を入れた「はしご状」がベーシックになっています。
最初は「はしご状」ではなかった
『あみだくじ』といえば、誰もが「はしご状」のものをイメージしますよね。
実は『あみだくじ』は、もともとは全く別の形だったのです。
室町時代 | 放射線状のくじ |
現在 | はしご状のくじ |
室町時代の『あみだくじ』は「真ん中から外に向かって放射線状に人数分の線をかいたもの」でした。
阿弥陀如来の「あみだ」が語源
『あみだくじ』はもともと「真ん中から外に向かって放射線状に人数分の線を描いたもの」という説明をしました。
この放射線状のくじが、阿弥陀如来の「後光」に似ていたことから「あみだ」+「くじ」で『あみだくじ』と呼ばれるようになったのが『あみだくじ』の語源です。
※「くじ」という言葉を使わない「あみだの光」という呼び方も存在していました。
『あみだくじ』が最初から「はしご状」の形だったら、『はしごくじ』という名前になっていたかもしれませんね。
この放射線状の『あみだくじ』には、現在のような横線はなかったとされています。
『あみだくじ』の由来
語源でも説明しましたが『あみだくじ』は放射線状の「くじ」がはじまり。
室町時代に庶民の間で親しまれていた「くじ」です。
複数人数で物事を平等に決めたい時に便利な『あみだくじ』は、室町時代から庶民に親しまれてきました。
もともとは「何人かで買い物をする際にそれぞれの支払い額を決めるためのゲーム」でした。
当時の方法で、8人で320円の茶菓子を買うための『あみだくじ』を作るとこんな風になります。
|
この「くじ」を8人でひいた結果は次の通り。
くじを引いた人 | くじの結果(支払い額) |
A | 100円 |
B | 70円 |
C | 20円 |
D | 50円 |
E | 10円 |
F | 40円 |
G | 30円 |
H | 0円 |
合計 | 320円 |
各自が引き当てた金額を出しあい、集まったお金で茶菓子を買って平等に分けます。
それぞれ引きあてた額を支払い、各自40円分(320円÷8人)の茶菓子を受け取ります。
0円だったHさんは無料で茶菓子を手に入れ、100円を引いてしまったAさんは60円多く出すことになります。
こんなふうに、かけごとのように運をかけて遊ぶツールとして『あみだくじ』が使われていたのです。
『あみだくじ』は海外でも使われている?
ところで、日本で親しまれている『あみだくじ』は、海外でも使われているのでしょうか?
実は、海外ではほとんど知られていないのが現実です。
韓国でも使われている|韓国語で書くとこうなる
韓国では『あみだくじ』が実際に使われています。
韓国ドラマでは、何かを決めるときには『あみだくじ』を使う、というくらいメジャーなのです。
韓国語では「はしご乗り」を意味する「 사다리타기(サダリタギ)」と書きます。
사다리(サダリ) | はしご |
타기(タギ) | 乗る(の名詞系) |
日本で使われている『あみだくじ』は、当時の形から阿弥陀如来が語源となりましたが、韓国では「はしご」の形をイメージしたネーミングになっています。
英語で書くとこうなる
英語圏の国では、『あみだくじ』の存在そのものがまず知られていないという事実があります。
その上で『あみだくじ』をあえて英語にするとしたら「ladder lottery」となります。
この英語訳は「はしごくじ」という言葉を作り、英語化したものです。
ladder | はしご |
lottery | くじ |
仮に英語でこの言葉を伝えると、相手は『あみだくじ』の存在自体が分からない可能性が高く、意図が伝わりません。
追加で『あみだくじ』の説明が必要となり、さらに説明が難しくなる可能性があります。
外国(韓国以外の国)で『あみだくじ』の話をすると、「その仕組みにとても驚かれた」という話をよく耳にします。
外国の方とお話をされる機会があれば、話題にあげてみるとよいでしょう。
さいごに ~『あみだくじ』に関する2つのコラム~
今回は『あみだくじ』の語源と由来についてお話してきました。
その形状は時代の流れと共に姿を変えてきましたが
「複数人数で平等に物事を決定できる」
という本質的な部分は変わらず重宝されてきたことがわかりましたね。
最後に、本題から少しそれますが『あみだくじ』に関する2つのお話
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を添えて、今回の記事を締めていきたいと思います。
『あみだくじ』はスマホやPCで簡単にできる
「何かを決めよう」というシチュエーションで突然始まるのが『あみだくじ』。
『あみだくじ』に必要なグッズといえば「紙」と「ペン」。
現代では、もし「紙」や「ペン」がなくても、PCやスマートフォンさえあればOKです。
LINEの『あみだくじ』機能を使う
ここでは、お手軽なLINEのトークを使用した『あみだくじ』を紹介します。
学校行事の班ぎめや役割ぎめなどで活躍する「あみだくじ」が、LINEのトークルームで楽しめます。
言葉を自分で設定できるので、単なる当たりハズレだけでなく、役割分担やチーム分けにも活用できます。
- トークルームで[+]>「あみだくじ」をタップ。
- トークルームのメンバーから参加者を選び、「くじの結果」を入力。
- スタートをタップすると、あみだくじがトークルームにシェアされます。
~トークにシェアされたら~
- 「あみだくじスタート」から、各々の結果を辿ることができます。
- 「全体の結果を見る」から、結果を一覧で確認することができます。
LINEの他にも、あみだくじ専用アプリをダウンロードすることで簡単に『あみだくじ』ができます。
気になる方は、アプリストアで『あみだくじ』と検索して取り入れてみましょう。
WEBサイトで『あみだくじ』をする
インストールなしで気楽に『あみだくじ』ができるWEBサイトもあります。
とても簡単に作成できすので、よかったら一度試してみて下さい。
↓上記3サイトを画像と解説付きで紹介している記事をご紹介します |
ドンキーコングのコンセプトは『あみだくじ』
昭和56年に任天堂から登場した人気ゲーム【ドンキーコング】
このゲームのコンセプトに『あみだくじ』が由来していたというお話です。
【ドンキーコング】とは
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昭和に誕生した名作ゲーム「ドンキーコング」は、『あみだくじ』のなかを抜けていくゲームとして生まれました。
任天堂がまだファミコンを発売する前で、ゲームセンター用のゲームを開発していた時代です。
『あみだくじ』のようなスロープの中を、転がってくるタルを「はしご」を上ったり「ジャンプ」してよけながら進む |
これが【ドンキーコング】のコンセプトで、スティックで画面上のキャラを動かし、ボタンを押してジャンプする。
ボタンを押すとキャラがジャンプするのは【ドンキーコング】が始まりだったとか。
大人気ゲーム【スーパーマリオシリーズ】のマリオがボタンでジャンプできるのも、【ドンキーコング】で「ジャンプボタン」が採用されたからなんですって。
【ドンキーコング】が生まれていなければ、マリオには「ジャンプボタン」がなかったかもしれなかったのですね。
(参考:任天堂HP 社長が訊く『Newスーパーマリオブラザーズ Wii』)
最後までごらんいただきありがとうございました。